濃淡で描く動物たちの世界　墨画アーティスト　藤橋　李玲さん

　静寂の中にたたずむ高貴な鳥、じっとこちらを見つめる鋭い目は命を宿し、一度捉えられたら目をそらせない。
　動物たちの一瞬の動きを、墨の濃淡と緻密なタッチでキャンバスにとどめる墨画アーティストの藤橋李玲さん(市内在住)＝写真。仕事をしながら絵をインスタグラムで発信し、７月に名古屋栄三越で個展を開き、８月には松坂屋栄店で作品を展示販売した。
　「中学時代は美術部でしたが、どうしても絵の道に行きたいわけではなかった」と話す。小２から始めた書道は師範の腕前だが、絵は半紙の隅に描いていた程度という。「絵は独学で、人に見せるなんてカケラも思っていませんでした」と、はにかむ。今では人づてやインスタから依頼が舞い込むようになり、ペットの絵、結婚式のウエルカムボード、本の挿絵、デジタルと組み合わせた企業のロゴと、仕事の幅も広がっている。
　「世の中には、自分より絵が上手な人がいっぱいいるのでおこがましくて。正直戸惑っています」と謙遜しつつ「人生迷走してきましたが、それが全部今につながっている。これからどうなるのか想像もつかないけれど、人のつながりが増えているので同時にわくわくしています。いろいろな人に自分の絵を見てもらいたいという欲も出てきました」と未来に思いをはせる。名前で検索。