そっと見守って木曽川のオオサンショウウオ20匹生息⁉

　特別天然記念物のオオサンショウウオが木曽川(鵜沼・川島地区)に生息している。清流にいるイメージの稀少な生物が、なぜ木曽川に居ついているのか。
　市教育委員会事務局文化財課の福井隆士さん＝写真＝によると、「日本の一番東で観測されているのが岐阜県です。飛騨川から木曽川に流れてきて川上に上れず、伏流水が湧き出る水質と一定の水温、流れがゆったりで、すみつくのに良い場所があったことから、生息するようになったようです」という。
　許可がないと捕獲することも触ることもできない。
　「昨年の現地調査で、１メートル超えの個体も出ました。予想では２０匹くらいいるのではないかと思います。両生類で肺呼吸、約５０分に１回水面に上がってくるので運が良ければ目撃できるかもしれません」寿命も分かっておらず、生態は謎だ。
　「生息場所は危険な場所です。かむ力が強力なので大けがをすることもあり、近寄らない方が無難。今の状況を大事にして、そっと見守ってほしい。変わりつつある環境の中で今後も無事に生活していけるように支えていきたい」と話している。
(写真下　昨年木曽川で調査捕獲された個体 市文化財課提供)