岐阜市西/本巣

岐阜市北東/山県

岐阜市中南

各務原

羽島

条件を選んで店舗・施設・企業を検索

オートバイの実技試験で初めてオートバイに乗る

NEWS

公開日:2025/08/09

ニュースイメージ0

昭和20年代の中期に、各務原市蘇原地区で自動車を持っていたのは、蘇原町役場・農業協同組合・川崎重工などの企業やデンプン工場などで、個人では“大百姓=おおびゃくしょう”と呼ばれる大規模農家の数軒だけでした。

昭和20年台後半になり、次第に自転車にエンジンを取り付けたビスモーター、オートバイに荷台を取り付けたようなオート三輪トラックが普及し始めました。

岐阜県自動車運転免許試験場は、今は岐阜市三田洞にありますが、当時は岐阜市岩戸、今の岩戸森林公園にありました。

訪ねてみると、そこは金華山の南斜面の小さな谷川がつくった扇状地で、こんなところに試験場が作れるのかと思うほど、狭い傾斜地です。

昭和26年にこの試験場で自動車免許を取得した蘇原東門町の伊藤正憲さん(故人)の思い出です。

「オート三輪トラックを購入し、無免許で乗り回していましたが、仕事で使うのに無免許はマズイと思い、免許を取ることにしました。運転免許試験場に行くと集まっていたのはたった12人で、その中には飛騨高山から来ている人もいました。自分でエンジンを始動させ、坂の一番上まで上がり、そこでUターンして、坂道を下る時に、ギアをロー・セカンド・トップとチェンジし、その後バックで車庫入れするテストがありました。運転しやすい小さな車だったので、幸いなことに合格しました」

昭和38年にオートバイの免許の取得を目指した蘇原持田町の小川輝良さんの話です。

「“軽二輪”という分類の50~250ccのオ-トバイの免許を取得するために、蘇原の警察署で申請書を提出し、岐阜市岩戸にあった自動車運転免許試験場で法令試験を受験・合格し、実技試験に臨みました。試験で使う車は、250ccの大型のスクーターでした。実は、私はこの日に初めてオートバイに乗ったのでした。

職場にはオートバイ通勤をしている先輩がいました。蘇原持田町から勤務先の川崎重工までの約5㌔の通勤路は、行きは下り坂で楽に行けますが、その分、帰りは上り坂です。仕事後の疲れた体で、上り坂を自転車をこいで帰るのは楽ではなく、私もオートバイ通勤を夢見て、免許を取りたいと思ったのです。

しかし、家にはもちろんバイクはなく、近所や親戚や友人にオートバイを持っている人はいませんから、本物を借りて練習することはできませんでした。仕方がなく、ぶっつけ本番で試験に臨んだのです」

法令試験に合格すると、2回は実技試験を受けることができるが、3回目の実技試験は、再度法令試験に合格しなければならない決まりでした。

小川さんの残していたオートバイ免許申請書(写真)を見ると、1枚の申請用紙で10回の実技試験を受けることができるようになっています。

おそらく、小川さんのように事前に運転練習を積まないで本番の実技試験に臨む人は、少なくなかったような気がします。

結局、免許取得のためには相当な費用が必要であり、勤務先に有給休暇を申請し貴重な年休を取得しなければならないことがネックとなり、小川さんはオートバイの免許は断念したそうです。

ただ、2年後には職場の近くにできた“自動車教習場”に通って運転の練習をし、普通自動車免許を取得したそうです。

ニュースイメージ1

 

 

中日新聞の購読

中日新聞の購読

中日新聞販売店一覧

中日新聞販売店一覧

お店・施設・企業・イベント情報を掲載

お店・施設・企業・イベント情報を掲載

Chunichi Gifoo!

中日新聞配達スタッフ募集

Chunichi Gifoo!