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番外編 証言でよみがえる昭和の風景

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公開日:2025/04/23

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「蘇原持田の歴史の会」は、平成18(2006)年5月に発足しました。月に一度、第3木曜日に西厳寺(同町)本堂に集まり、昭和の思い出を話しています。例会を、これまで(令和7年4月現在)200回以上開いています。

おもに地元在住の男性約10人で構成され、以前は戦中の話を中心に聞いていましたが、戦争を知る人が体調不良で出席できなくなったり、あるいは亡くなったりして話を聞けなくなりました。今は昭和10年~20年代生まれの人が、戦後の昭和20~40年代の思い出を話しています。

聞き手は、同寺住職の小川徳水さんで、昭和24年生まれの76歳。以前は、メンバーの中で若手でしたが、今は同世代が多いそうです。「こういうとき昔はどうしていたの?」「それはどういう意味ですか」と細部を確認しながら話を進めて、録音して書き取っています。昭和を知る人々の貴重な証言をまとめて、毎月中日ギフーのウェブサイトから発信しています。

参加者同士は、昔を懐かしんで話しながら記憶を紐解きます。忘れ去られていく昭和の生活を後世に残すため、寺に足を運びます。月に一度集まることを、楽しみにしているようでもあります。

「家庭で子どもや孫たちに、自分が若かったころの経験を話すと、家族から“その話は何回も聞いた”“その話は聞き飽きた。聞きたくない”と言われ、話すこともできませんが、この歴史の会では同じ話を何回しても良いし、みんなが聞いてくれるので、楽しい」

「一般的に男性は、多くの女性が得意とする世間話や雑談を苦手とする人が多いようですが、自分が子どものころに見たり体験したりした出来事は鮮やかに記憶しており、話し始めると、どんどんよみがえり湧き出してきます。その話を聞いている周りの人の記憶もよみがえります。そして、話す人も、聞く人も元気になります」

昭和の常識が、今では珍しく、現代では考えられないエピソードの数々に驚かされることもしばしばです。読んだ人から、小学生の子どもの夏休みの自由研究の資料にしているという声も寄せられています。

戦前はもちろん、戦中、戦後を知る人も少なくなりつつあります。戦争や高度経済成長期という激動の時代を知る人たちのお話を聞く機会は、そうそうありません。

現代の、物質面でも豊かで安全な生活は、戦後の一日一日を血のにじむような思いで生き抜いた人たちの努力の延長線上に築かれたともいえます。

モノが溢れている現代の私たちは、幸せでしょうか。モノのなかった昭和初期の人たちは、幸せではなかったのでしょうか。決して、そのようなことはありません。

昭和回顧録の連載は、人々にとって本当の幸せとはなんであるかを考えさせます。

子どもたちが屈託のない笑顔を見せ、野山を思いっきり駆け回っていた白黒テレビ以前の昭和の風景を知ることができる、貴重な記録といえるでしょう。

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例会が開かれている西厳寺(蘇原持田町)。メンバーは軽トラや徒歩で、髪も整えられ、パリッとしたおしゃれないでたちで集まっていました

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