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包装紙は古新聞や竹皮だった

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公開日:2023/08/09

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今の食料品は、発砲スチロールのトレーにラップをかけて販売され、ビン・缶・プラスチック・紙パックなどの容器で売られているのが普通ですが、昭和30年代までは、ほとんどの食品が量り売りされていました。

醤油(しょうゆ)は、古くから樽(たる)に入れて運搬したようで、下部に木製の栓で開け閉めするコック=蛇口が付いており、小売店では樽から注ぎ出して量り売りをしていました。

時々、母に頼まれ空の一升瓶を持って、近所の食料雑貨を販売する石塚商店に醤油を買いに行きました。一升瓶は小学生には重く、帰路は瓶を割らないように気を付けて運ばなければならなかったことを覚えています。(昭和30年代前半 蘇原申子町 大堀等さん談)

蘇原持田町には商店がなく、岐阜市から“大阪屋”という店が、醤油・味噌(みそ)・酢・佃煮などの食料品をオート三輪トラックに積んで移動販売に来ていました。「毎度、毎度、大阪屋でございます。・・・」という放送が聞こえると、住民は空瓶などを持って、トラックの周りに集まり、欲しい品を量り売りで買っていました。

トラックの荷台にある樽から,客の空瓶に醤油を分ける方法は、今ならば電動ポンプを使いますが、当時はポンプがありませんでした。そこで、積んである樽と客の一升瓶の口をゴムホースでつなぎ、店員が自分の口を瓶の口にくっ付けて、空気を吸い出すと、ゴムホースから醤油が流れ落ちました。今なら衛生上絶対に許されない方法ですが、当時はそれが当たり前でした。

富山の置き薬のように、樽に入れた醤油を預けておき、使った分だけ支払いをするシステムをとっていた店もあったようです。時々、店の人が家庭を巡回し、樽をたたいて、その音で残っている醤油の量を聞き分け、必要なら新しい醤油樽を置いて行きました。

家庭で樽入りの醤油を使うときは、注ぎ口のある陶製の“片口(かたぐち)”に取り分けて使っていました。

おそらく昭和30年代半ば頃から、醤油の容器に樽は使わなくなり、瓶に変わったようです。一升瓶は規格品で、緑や茶色の色付きで商品の劣化を防ぎ、酒と醤油の区別なく、洗浄だけで完全にリサイクルされる優れた容器でした。

現代では、豆腐は薄いプラスチックの容器に入れて販売されていますが、昔は容器がなく、水に浮かせて販売していました。近所に豆腐屋がない地域には、豆腐屋さんが豆腐を入れた水タンクを自転車にのせ、“トフ・トフ”とラッパを鳴らしながら、移動販売しました。

ラッパの音が聞こえると、鍋や桶を持って買いに行きました。豆腐を丁寧に取り出し、水と一緒に鍋に移してもらい、崩れないように家に持ち帰りました。

プラスチックの買い物袋、発砲スチロール、持ち手の付いた紙袋はありませんでしたので、買い物をした商品は古新聞紙で包みました。

干物の魚でも、野菜でも、乾物でも、商品は小さく切った新聞紙で包装しました。セロハンテープもホチキスもありませんでしたから、簡単に包むだけでした。

まんじゅう、餅、お菓子など水分が多いものは、“へぎ板”と呼ぶスギやヒノキの薄板で包み、それを新聞紙で包みました。少し前まで、谷汲山などの門前の店では、“ういろう”などの菓子はこの“へぎ板”に包んで販売していました。

香りがなく、栽培が容易で、大きな葉になる葉(は)蘭(らん)は、“おにぎり”などを包んだり、料理の“仕切り”や飾り付けなどに使ったりしました。今でも緑色の葉っぱのようなプラスチックの仕切りが売られていますが、それは葉蘭の模造品です。

精肉は、今も高級店では竹皮を使いますが、昔はどこの店でも竹皮でした。竹皮の上に肉を並べ、左右を折って肉を包み込み、竹皮の端を裂いて作ったヒモで留め、その上から新聞紙で包みました。

タケノコが成長する時に、竹皮は剥がれ落ちますが、孟宗(もうそう)竹(ちく)の皮は起毛がありますし、淡(は)竹(ちく)は細い竹ばかりで皮は使えません。使えるのは、起毛がなく、太いタケノコが出る真竹(まだけ)だけです。5月下旬から6月頃にタケノコが顔を出し、成長します。太い竹から落ちた広く大きな皮だけを、竹やぶで拾い集めてきます。

この時期は梅雨ですから、雨に濡らさないようカビが生えないよう、天候を見ながら乾燥させるのは容易ではありませんでした。きれいに乾燥が終わったころに、買い取り業者が、家々を回って引き取って行きました。

納豆は、今では大部分の商品が発砲スチロールの容器に入っていますが、以前は全てワラに包まれていました。

飛騨・東濃・中濃地方では、朴ノ木の葉(朴葉)がよく使われたそうです。みそは朴葉に包んで買ったそうで、朴葉に残ったみそを無駄なく食べたのが、“朴葉みそ”という料理のルーツだと聞きます。

時々、庭木などで朴ノ木を見かけますが、各務原市内の山地に自生する朴ノ木は少なく、“朴葉寿司”のように、朴葉を使う伝統はなかったようです。

ニュースイメージ1

片口(かたくち)

樽(たる)に入った醤油などを取り分けるときに使う陶製の鉢のような物で、注ぎやすいように口が付いている

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