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ヒルに血を吸われ、マムシに遭遇する

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公開日:2022/08/06

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私の家には毒を吸い出す特別な石があったと、子どものころに祖母から聞きました。真偽のほどは分かりませんが、患部に貼ると石は吸い付き、毒を吸い出す。体の毒が無くなると、患部から石が剥がれ落ちる。それを水の中に入れると、毒が無くなるまでブクブクと泡が出た。マムシなどにかまれたときには、遠くの村からでもその石を借りに来ましたが、そのうちに石は行方不明になってしまったそうです。

多くの生き物が生息する自然豊かな時代は、牧歌的で、のどかで、懐かしい風景ですが、農作業をする者にとっては、必ずしも好ましいことばかりではありません。“ヒル”に血を吸われる。マムシにかまれるということは、よくあったことでした。

田植え、田の草取りの作業では、しばしば”ヒル”に悩まされました。素足や簡単な靴で水田に入ると、知らないうちに“ヒル”が足に吸い付き、なんだかモゾモゾしてカユイと思い足を見ると、茶色い長さ5~6㌢の“ヒル”が吸い付き、血を吸っています。いつものことですから、急いで“ヒル”をつかんで引きちぎると、足に残る直径2~3㍉の吸い口から出血しています。薬はありませんでしたので、“血止め草”と呼ぶ薬草の葉を貼っておくと、止血はできましたが、カユミが一週間程度残りました。

ヘビはよく見かけました。アオダイショウ・シマヘビ・アズキヘビなどですが、これらは毒を持っているわけではありませんし、襲ってくることもありません。人の姿を見ると、逃げていくだけですから、特に問題はありません。

だた、強力な毒を持つマムシは、注意が必要です。他のヘビより太くて短く、体の模様が鮮明で、頭は三角形をしていて、人間が近づいても逃げていきませんし、とぐろを巻いて飛びかかってきます。卵胎生で数匹(?)の子どもを産み、毎年、同じ所に生息していますので、しゃがんだ姿勢で、あぜや土手の草を刈る時には、特に注意しなければなりませんでした。

「見つけたら、絶対に目を離してはいけない。一瞬のスキに逃げられてしまう」「見つけたら鎌で頭を押さえて、必ず退治する」「マムシを見つけたら、必ず近くに仲間がいるので気を付けねばならない」「マムシの動きをよく知っていれば、親指と人差し指で頭を押さえれば簡単に捕獲できる」「マムシの気配が分かる」「マムシの匂いがする」「マムシは尻尾を持つと、頭を持ち上げ、持つ手を攻撃してくる」「捕らえたマムシの皮をむくと、その肉は大変美しいピンク色をしていました。“精”がつき“薬”になるということで、炭火でカリカリに焼いて食べましたが、黒焦げになった肉や骨は炭の味がしただけでした」「マムシを捕まえたら、一升瓶でマムシ酒を造った」「マムシ酒を造るために一升瓶にマムシを入れておいたら、数匹の小マムシが生まれていた」「マムシの皮は干しておいて、ケガをした時に傷口に貼れば、化膿はしないし、ケガの治りも早い。蔵にはマムシの皮が数本ぶら下げてあった」など、マムシに関わる話題は豊富です。

数年前になりますが、農作業中にマムシに指をかまれ、退治したマムシを持って、救急車で病院に行った小川豊一さん。「救急病院でも、マムシ事故の治療の経験はないという医者ばかり。マムシを実見するのが初めてという医師や看護師が、持って行ったマムシを珍しそうに見ていました」と話します。今でもマムシは生息していますが、草刈り機の普及で、被害に遭うことはまれになったようです。

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「捕らえられたマムシ」(2022年6月 小川輝良撮影)

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