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休耕田に咲くレンゲの花

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公開日:2022/05/17

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レンゲは岐阜県の県花です。4~5月の各務原市内の水田には、赤紫の絨毯を敷き詰めたようにレンゲの花が美しく咲いています。美しい自然あふれた景色が、なぜ見られるのか、蘇原持田町で熱心に稲作農業に取り組む、小川輝良さんなど2~3人に聞いた話をまとめました。

レンゲは、タンポポやスミレなどのように、季節が来ると自然に育ち、花を付ける雑草ではありません。米の減反・転換作物の1つに指定されている農作物で、種子を購入し、秋に1反=10㌃あたり3㌕ほどの種をまいて栽培しているのです。

レンゲ栽培の目的は、レンゲの葉や茎や根を土中に埋め込み緑肥にするためです。マメ科の植物ですから、根に根粒菌が付着し、空中の窒素分をため込んで、土壌をより肥沃(ひよく)にします。

もう1つの目的は、ハチミツの蜜源を育てるためです。養蜂のミツバチは、特定の花ばかりに集まって蜜を集める性質があります。レンゲ畑の近くに巣箱を置くと、ミツバチは咲き満ちたレンゲの花から花を飛び回り、蜜を集め、レンゲハチミツを巣箱にため込みます。

緑肥だけを目的にするならば、レンゲは花が咲く前に刈り取るのが良いのですが、蜜源確保のためには花が咲き終わる5月末まで刈り取りは行えません。

レンゲの種まきは、以前は稲がまだ育っている9月に行っていました。平成時代になり最新のコンバインが導入され、稲の刈り取りと同時に脱穀をして、残ったワラは裁断し、肥料用に散布するようになりました。この農法では、せっかくレンゲの種をまいておいても、種子や若芽にワラが覆い被さり、発芽・生育ができなくなります。そこで今では、稲刈りを終え、田起こしをした10月末から11月に種まきを行います。

レンゲ栽培は比較的容易ですが、田んぼの全面に花を咲かせるには、小さなレンゲの種を片寄りなく、均一にまかねばなりません。種を扱いやすくするために、砂を混ぜて一緒にまくなど工夫はするのですが、種まきには熟練と技術が必要で、種まきがうまくいかないと、レンゲは生えそろいません。

種は、以前は国産でしたが、今はほとんどが外国産で、発芽率が良くないものもあるそうです。

昭和30年代までの水田は、夏は稲、冬は麦の二毛作がよく行われていました。ほとんどの農家は、冬から初夏にかけて、麦を栽培していましたので、レンゲを栽培する水田はありませんでした。

二毛作が行われなくなり、稲の単作になっても、レンゲの栽培はできませんでした。稲作を行うには、新春から田起こしを繰り返し、5月には水田の整備を進め、6月には水を満たしシロカキをし、遅くても6月中旬には田植えをせねばなりません。

レンゲ栽培を行っていては、田植え準備の農作業ができません。レンゲは、田植えの準備を行わなくてよい休耕の年、休耕田にしか栽培できないのです。

田んぼ一面に咲き満ちるレンゲは、日本のどこにでも見られる農村風景のように思いますが、実は各務原では減反による休耕田にしか見られない風景なのです。

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レンゲの花が咲き満ちる休耕田

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