紅葉見ごろで「もみじまつり」始まる!! 岐阜・三輪の真長寺
ピックアップ
「三輪釈迦」で知られる真言宗真長寺の「もみじまつり」が11月23日、2日間の日程で岐阜市三輪の真長寺で始まりました。今年は各地の紅葉が遅れており、例年より遅い紅葉狩りに訪れた人たちが楽しんでいました。
真長寺は創建が奈良時代といわれ、平安時代に真言宗のお寺になりました。「三輪釈迦」は、国重要文化財の「釈迦如来坐像」で、釈迦堂に安置されています。平安中期の寄木造りで漆に金箔を貼り付けた木像。高さは台座を含めて4メートルにもなります。丸みのある顔と体は見る人に落ち着きと安らぎを与えています。
「もみじまつり」は、客殿で寺が所蔵する文化財を鑑賞するとともに、岐阜市指定の名勝石庭と「釈迦如来坐像」に親しむ年1回の機会です。
今回公開された文化財は、仏画の人気の高い県重要文化財「釈迦涅槃図」(絹本著色、鎌倉~室町期、1・78✖1・625メートル)同「文殊菩薩像図」(絹本著色、室町前期)岐阜市重要文化財「十二天図」の内「風天」「焔魔天」(絹本著色、鎌倉期)「帝釈天」「火天」(絹本著色、室町期)など。
岐阜市名勝「石庭」は、客殿南側の東西20メートル、南北11メートルの枯山水石庭です。一面スギゴケで覆われた庭に大小8つの石が配置されています。京都・龍安寺の枯山水庭園と似た石庭で砂の代わりに苔が配されています。作庭時期は江戸初期と見られていますが、庭園様式から樹木の鑑賞対象となった江戸時代よりに古い時期に作られた可能性があるとの指摘があります。また、35年に発表された実測図にあった3つの小さな石が確認できなかったそうです。3つの石を含めると、中央の石をを中心に同心円状の配列を感じさせる「思想性、抽象性」の高い石庭と言えそうで。その特異性から上位の文化財指定が望ましいとの評価があります(「三輪山真長寺文化財保存会だより」第55号を参照)。また、客殿東の中庭には池泉庭園があり、亀石組みが見られます。
紅葉鑑賞に訪れた人たちは、客殿に展示された仏画などを見たり、南側の縁側に座りながら石庭のコケの緑と紅葉の赤色の対比の美しさに、いつまでも見飽きないような表情でした。
「もみじまつり」