コロナ禍の中の長良川鵜飼開幕
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公開日:2020/07/07
岐阜市の夏の風物詩・長良川鵜飼は、新型コロナウイルス感染の影響を受けて、例年とは違った光景が見られました。
例年、5月11日が「鵜飼始め」で、多くの観光客らが観覧船の乗り、鵜匠の妙技を見守ります。
ところが、今季は、観覧船の運航が延期され、1カ月遅れの6月13日と決まりましたが、雨による増水のため、2日延び、15日になりました。これより先、5月22日には、10日遅れで、鵜匠による漁のみが行われました。
鵜匠による漁解禁
例年の鵜飼始め5月11日より10日以上遅れた22日、鵜匠によるアユ漁が始まりました。観覧船がないままの鵜飼です。鵜飼は、元々、鵜飼漁法ですから、この姿が本来の鵜飼です。見物人は岸から見るか、船を出して見るかです。江戸時代後半には、見物船が多く出るようになったそうです。
5月22日の鵜飼い漁には、長良川両岸にはマスク姿の大勢の見物客が300人ほど集まりました。右岸のプロムナードの川縁には、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、岐阜市鵜飼観覧船事務所の人たちが密集を避ける「ソーシャルディスタンス」を呼びかけるプラカードを手に、見回っていました。
鵜匠は6人。篝火に照らされた6隻の鵜舟が3隻ずつ両岸に分かれ、手縄を操りながら鵜にアユを捕らせる妙技を披露しました。右岸は、鵜舟の発着場でもあることから、鵜舟が見物客らのすぐ間近まで寄ってきます。「ホウホウ」という掛け声と舟べりを叩く「ドンドン」という音が暗闇の中に響き、篝火の松割木が燃える臭いが周囲に漂い、鵜匠の姿が見えると岸からは、一斉に拍手がわき起こりました。
川下に下った鵜舟は、もう一度、川上に戻り、6隻が一体となってアユを浅瀬に追い込む漁法「総がらみ」の態勢を整えます。集合地点は右岸のホテル「すぎ山」近くの川岸です。
6隻の鵜舟が集合し、篝火の燃える火が集まる光景は壮観です。総がらみは、観覧者への敬意を表したものと言われますので、左岸からの眺めが一般的ですが、金華山をバックにして一堂に会した鵜舟の篝火の美しさは、幻想的な雰囲気を醸し出しています。特に、この日は、川岸に観覧船がないため、篝火の熱が岸に伝わってくるようでした。6隻の鵜舟が一斉にスタートすると、見物客らからは「すごい」「きれい」と驚きの声とともに盛大な拍手が送られました。
「やはり、鵜飼が始まらないと、岐阜の夏が始まらないね。やっと、夏が来た気分」「こんなに近くで見たのは初めて」と、見物客らは感激していました。
鵜飼観覧船の運航開始
岐阜市の観光の目玉は、長良川鵜飼ですが、鵜飼観覧船に乗船する全国からの観光客の誘客です。
今季の観覧船運航は、当初、6月13日でしたが、強い雨による増水のため、2日延び、15日となりました。
待ちに待った鵜飼観覧船の運航開始。マスコットキャラクターの「うーたん」が、マスク姿でお出迎えです。
この日の乗客は、11人でした。鵜飼開きを取材する新聞・テレビなどの報道関係者の方が多いという状況です。また、この日は、川の流れが速く、流れに乗る鵜匠の鵜舟もスピードが速い状況でしたが、鵜匠は観覧船の脇に舟を操り、鵜がアユを捕る様子を客らにじっくり見せていました。
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