昭和回顧録
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公開日:2020/10/09
地歌舞伎始まる
敗戦後の困窮と混乱の続く中で、戦後2年目には蘇原持田町でも若者を中心に新しい文化活動が芽生えてきました。
「各務の村国神社で歌舞伎が行われると、親戚はお祝いを持って駆け付けている。持田町でも芝居を催し、親戚から祝ってもらえるようにしよう」という青年団の音頭で、持田町の白山神社境内で、昭和22年に村民のRさんが脚本を書いた「金銭他国に出すべからず」という現代劇が、同23年には歌舞伎の「義経千本桜」「景清」が上演されました。
地域の人々の理解と協力を得ながら、青年たちが総動員で神社の拝殿に仮設の花道を設け、幕を張り、むしろを敷いて客席にし、野外の劇場を作りました。歌舞伎の衣装や小道具などは、関市白金にあった貸衣装屋からリヤカーを引いて借りてきました。演技指導は各務町のSさんに、三味線を奏で浄瑠璃を語る太夫は東濃地方の人に頼みました。
小学4年生で子役として出演したYさんは「夏休みになったころから、夜に持田町公民館で練習が行われました。2つの芝居に出ましたが、自分のセリフは多く、泣きながら覚えました。今でも、“待て待て待て待て、家来ども・・・”のセリフを覚えています」
Kさんは「慣れない本番舞台で緊張のあまりセリフを忘れてしまった役者に、客席から“(セリフを)飛ばせ!飛ばせ!”“飛べ!飛べ!”と掛け声が掛かり、役者が勘違いして客席に跳び下りるというハプニングもありました」と、当時の思い出を話します。
男性だけの芝居は2年間だけで終わってしまいましたが、その後、青年団は男女一緒に盆踊り、映画会、バレーボールなどのスポーツ、小旅行、茶道、華道などの活動や、蘇原地区や稲葉郡内の交流活動を盛んに行いました。
芝居が行われた持田町白山神社の鳥居の前でポーズを取るKさん(右)と子役で出演したYさん(左)
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