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交換手につないでもらった電話

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公開日:2026/02/25

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小学生から高齢者まで、1人1台の携帯電話所持が当たり前の現代からは想像できないほど違う、昭和30年代の電話事情について聞いてみました。

各務原市蘇原地域では、役場・警察・国鉄の駅・軍関係機関、川崎重工などの大企業、造り酒屋などにはすでに戦前から電話機が設置されていました。

戦後の経済復興の中で急増する電話需要に対応し、電話網の整備費用をまかなうため、電電公社(日本電信電話公社)は電信電話債券を発行し、施設設置費とは別に、新規加入者には当時としてはかなり高額な電信電話債券の購入を義務付けました。

電電公社の民営化以前は、電信電話事業は “お役所仕事”で、サービス業ではありませんでした。市街区域外の電話用電柱や配線が未設置の区域では、仮に電信電話債券費や電話設置費を準備できても、特別な事情がなければ、設置を望むことは不可能でした。

昭和34年ごろ岐阜カンツリ-倶楽部(ゴルフ場)の建設が進み、そこに電話が設置されたのと同時に、持田町に最初の電話が設置されました。その電話は公衆電話でしたが、設置の場所は電話ボックスではなく、小川さんという個人宅の玄関でした。しかも、ゴルフ場と持田町公衆電話の二箇所の電話は、同一電話番号を持つ親子電話で、着信の時は二カ所同時に呼び出しベルが鳴る方式でした。

当初の電話機は、ハンドルを回して受話器を取って交換手を呼び出し、相手の番号を言って、つないでもらう手動式でした。同じ局内であればすぐにつながりますが、遠くであれば、多くの電話局を中継し回線をつなげていきますので、かなりの時間がかかりました。京都市内への接続には、1時間近くは待たねばならず、いったん電話を切り待機しました。相手までの回線がつながると、交換手から開通の連絡が入り、会話ができるようになりました。電話料金は通話時間とは関係なく、1回いくらという設定でしたが、おそらく現代からすると、かなり高額であったに違いありません。

個人の自宅には電話がありませんので、“呼び出し電話”がありました。個人宛の電話が公衆電話にかかってくると、受けた人が、近所の該当の家まで走って電話を知らせ、該当の人は公衆電話機まで走って来て通話していました。年賀状などに、“呼○○○番”と、取り次いでもらえる他家の電話番号を掲載していました。

時代が進むと、ダイヤルを回せば相手につながる自動接続の方式に発展し、利用料金も回線距離と通話時間による方式に変化しました。

その頃、通話業務と放送業務を行う有線放送電話局が、蘇原農協(現在の岐阜信用金庫蘇原支店の敷地)の裏の、鉄筋コンクリート3階建ての建物の一角に交換機が設置されました。7~8人の若い独身女性の交換手が、朝7時から夜9時まで交代で勤務し、日直・宿直で年中365日、通話・放送業務を行っていました。

通話業務とは電話のことです。一本の回線に10戸程度の子機がつながり、それぞれに番号がついており、交換手は「○○番、○○番さん」と、該当の家の番号を呼びます。呼ばれた人が受話器を上げると相手と話せますが、同じ回線内の別の家の人が受話器を上げれば、通話が聞こえてしまいました。

放送業務は、スピーカー付きの電話機を使って行う放送です。「SHK」というコードネームで、

農薬散布などのお知らせや、麦やイモなどの集荷の連絡、観光サツマイモ農園の開設の状況など農協に関係するニュース、蘇原小学校では中学校の修学旅行中の状況報告などが放送されました。

蘇原地区の全域に張り巡らされた有線用の電話柱は、やや細い木製で、腐食防止のためにコールタールを塗り込んでありました。その保守点検は、男性職員が3人で担当し、電柱交換が必要なときは、自転車に乗り、電柱を肩にかつぎ、素早く現場に到着し、スコップやツルハシで穴を掘り、ほとんど1人で交換していました。(持田町 小川進さん談)

時代が下ると電話の機器は、交換手呼び出しの手動接続の方式から、ダイヤル式の自動接続に、さらに電電公社の普通電話にも接続できるように発展しました。

昭和40年代になると、持田町の個人宅にも電電公社の固定黒電話設置の機会が訪れ、蘇原地区内であれば費用の安い有線放送電話で用が足りるとの考えもありましたが、他地域への接続には不便があるということで、多くの家庭にも電電公社の固定黒電話が設置され、しだいに有線電話の需要が減り、昭和50年代に、蘇原地域の有線放送電話事業は廃止されました。

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ダイヤル方式の有線放送電話機。機器の裏には、放送時の音量を調節するツマミが付いている(持田町 小川輝良さん蔵)

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