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工夫をして作ったヨモギ餅・ガンドボチ

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公開日:2024/02/19

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高度経済成長以前の農家、特に田舎の日常は、自家用に栽培した餅米、小麦、ソバ、大豆、小豆などを使い、季節のものを活用しながら、自宅にない必要最低限度の物だけを購入し、色々と工夫をしながら食料、おやつを作っていました。

餅やだんごなどの作り方だけでも、その家の伝統があり、極めて多様でした。例えば、餅米を蒸して、臼ときねでついて餅にする。餅米とうるち米を混ぜて炊飯し、すりこぎ棒でつつき、すり潰し、餅のようにする。餅米とうるち米を混ぜてから粉にしたものを練り、蒸した後、臼ときねでついて餅にする。餅米の粉をよく練ってだんごを作り、蒸す。あるいは、熱湯に入れて煮て火を通すという具合です。各家庭によって使う材料も、混合する粉の配分も、作り方も違っていましたので、正しく“家庭の味”でした。

春になりヨモギが生えてくると“ヨモギ餅”を作りました。餅米とヨモギを一緒に蒸し臼でついた餅がありますが、臼やきねを準備するなど手間がかかります。餅粉と米の粉を練った生地に、刻んだヨモギを入れるほうが手軽で、わが家はこちらでした。

「田植えが終わった時には、母は必ず“ぼた餅”を作りました。餅米とうるち米を混ぜて炊き、釜の中でつぶした塊に、前日から準備していた小豆を炊いて作った餡や、大豆を粉にした“きな粉”をまぶして作りました。田植えを頑張ってきた家族に対する、慰労の念があったと思います。その時期がくるとなつかしくなりますが、今はお店で購入した物を食べます」(小川高義さん談)

サルトリイバラ(サンキラあるいはサンキライ)はとげのあるつる植物で、若葉は弾力があり葉(よう)が厚いのですが、虫に食われることはなく、特に匂いもないので、食材を包むには好都合でした。

初夏になり葉が育つと、サンキラボチ(ガンドボチと呼んでいました)を作りました。これとよく似たお菓子に、麩餅があります。サンキラボチも麩餅も、餡を小麦粉で作った生地で包み、それをサンキラで挟み蒸した物で、両者の外見は似ています。違いは生地の作り方です。サンキラボチの生地は小麦粉を練っただけです。麩餅は餅のような食感でおいしいのですが、小麦のでんぷんを洗い流し捨てなければならないので、家庭では容易には作れず、もっぱらサンキラボチを作りました。

ニュースイメージ1

“サンキラボチ”の外皮に使ったサルトリイバラ(サンキライ)の若い葉

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